ローコード開発とは?

今注目が集まっているローコード開発。ノーコード開発との違いや、メリット・デメリットなどをご紹介します。
ローコード開発とは?
ローコード開発とは、できる限りコードを書かないで、短期間でアプリケーションを開発する手法のことです。
たとえば、WEBサイトを作成する際に従来の開発ではHTML、CSSを使用して画面を作成後、ソースコードを記述し処理を作成します。
ローコード開発では、GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)操作でオブジェクトをドラッグ&ドロップするだけで、画面や処理を直感的に作成することができます。
ローコード開発とノーコード開発の違い
一見混同されがちなローコード開発とノーコード開発ですが、違いを簡単に説明すると「ソースコードを記述できるか否か」です。
ローコードは拡張性が高く、他のパッケージやSaasの連携機能も豊富なのでさまざまなユーザー要望にも対応し、拡張できるように考慮されています。
ノーコードはGUI操作で開発をしていくという点ではローコードと同じですが、ソースコードを記述できず、多様なユーザー要望を実現することが難しいケースが多々あります。
そのため、ノーコード開発ツールを採用する場合は、事前にユーザー要望を満たすことができるか慎重に確認する必要があります。
ローコード開発が注目される背景
なぜローコード開発が注目されているか?というと、現在デジタルトランスフォーメーションが推進されていて、その中でも「2025年の崖」や「IT人材不足」という多くの問題があるためです。
「2025年の崖」
既存システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化する中では、新しいデジタル技術を導入したとしても、データの利活用・連携が限定的であるため、その効果も限定的となってしまうといった問題が指摘されています。
また、既存システムの維持、保守に資金や人材を割かれ、新たなデジタル技術を活用するIT投資にリソースを振り向けることができないといった問題も指摘されています。
出典:経済産業省 HP(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_02.pdf)
「IT人材不足」
デジタル化の需要は増えていますが、少子化による労働人口の減少により、IT業界の人材不足が深刻になっています。
経済産業省が発表した「IT 人材需給に関する調査」によると、2018年時点で先端IT人材の数は約9万人、従来型IT人材は約94万人。同調査で、ITに携わる人材のうち先端技術に移行できる人が1%しかいないとした場合で、IT需要の伸びが低いときの試算を行ったところ、先端IT人材の数だけでも2020年には6万人あまりが不足、2030年には約38万人も不足するという結果になりました。
出典:経済産業省 HP(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)
ローコード開発のメリット・デメリット
ローコード開発は、短期間で開発できたりとメリットも多いですが、デメリットも存在します。ここでは、メリットだけでなくデメリットもご紹介します。
メリット
「開発期間、開発工数の短縮」
前述通り、GUI操作で開発を行っていくことで、開発工程を簡略化することができます。
簡略化によってユーザー要望に対し、迅速に対応する点もメリットです。
「開発コストの削減」
開発期間、開発工数が短縮されることで当然、人件費の削減にも期待できます。
「ミスの少ない開発」
コードを記述することが、従来の開発に比べると少ないため、プログラミングミスが減ります。
「機能拡張が可能」
ローコード開発ツールに不足している機能を実現したいことも少なくないと思います。
不足機能をソースコードで記述し、拡張することで多様なユーザー要望を実現することが可能です。
デメリット
「従来の開発より自由度が低い」
複雑な要件の場合は、プログラミングを行う必要があります。
ローコード開発ツールによりできることが異なるので、ツールに依存してしまう部分があります。
「開発の知識は必要」
プログラミングの知識がない人には扱いにくいものです。ノーコードの開発ツールのように誰でも使えるわけではありません。
まとめ
ローコード開発では、短期間でアプリケーションを開発できるため開発工数を削減することが可能です。
また、開発知識があれば拡張性が高く多様なユーザー要望に対応でき、従来の開発と遜色ないアプリケーションを作成できます。
ローコード開発を用いてデジタルトランスフォーメーションを加速させましょう。